【VIVANT2】野崎はなぜ裏切り者? 「該当なし」電話の意味を解説

野崎守なぜ 解説 創作物(アニメ・映画・漫画・小説考察)

【ネタバレ注意】 『VIVANT』第2シーズン第3話(通算13話)および第1シーズンの内容に触れます。

第3話のラスト、「最大の裏切り者」として浮かび上がったのは野崎守でした。

ただ、放送直後のSNSでこんな声が多く見られました。

「野崎さんが電話をしていたのが裏切りになる理由が、いまいち理解できない」

分かります。あの場面、説明らしい説明がないまま話が進むので、置いていかれた人は多いはずです。

この記事は考察ではなく、解説です。あの電話がなぜ決定的なのかを、順を追って整理します。

まず、何が起きたのか(時系列)

論理を追う前に、出来事を並べておきます。

  1. 乃木がキプロスでアリを確保し、尋問する
  2. アリから「新庄はプライベートジェットの操縦免許を持っている」という情報を得る
  3. 乃木はすぐ野崎に連絡。野崎は「初めて知った」という素振りを見せる
  4. しかし実際には、野崎は和久井のスマホから、クーダン国立飛行訓練所に電話をかけていた
  5. 新庄はタイで確保されるが、拷問の結果シロだった
  6. 「最大の裏切り者」として野崎が浮上する

ポイントは 「電話」です。ここが理解の分かれ目になります。

分かりにくい原因は、空港が二つあること

先に、いちばん大事な前提を置きます。

この件で問題になっている空港の映像は、二つあります。 ここを混ぜてしまうと、一気に分からなくなります。

便映像の状態
新富士空港タイ行き映像が差し替えられていた
茨城空港ウラジオストク行き映像にノイズが入っていた

そして——前者はすでに解決しています。問題は後者です。

順に見ていきます。

① 新富士空港の映像差し替え——これは解決した

新富士空港の防犯カメラの映像は、差し替えられていました。

やったのはチョッキーです。愛する新庄をタイへ逃がすために、自身の会社の情報システム部にいるタムタムに工作させていました。

これを見抜いたのが乃木でした。その日は線状降水帯による大雨だったにもかかわらず、映像の窓の外に雨が降っていなかった。 だから差し替えだと分かった。

ただし——別班の尋問の結果、新庄もチョッキーも、別班を売った人間ではありませんでした。

つまりこの線は、そこで途切れます。調査は、もう一つの映像へ向かいます。

② 茨城空港のノイズ映像——こちらが未解決だった

茨城空港の映像に入っていたノイズは、タムタムの仕業ではありませんでした。

そこでサーバーへのアクセス記録を調べたところ、東条のPCからアクセスし、映像を偽装した記録が残っていました。しかもその時間は、防犯カメラの問題にまだ誰も触れていない時間帯です。

ところが、ここで噛み合わない点が出てきます。

東条は、別班員の入院先を知りません。 知らない以上、別班員を売ることはできない。

そこで、調べはさらに進みます。

そして、あの電話に行き着いた

新庄が通っていた操縦士の学校の通話記録を確認したところ——

新庄がベキを脱獄させた日、和久井の携帯を使って電話をかけていたのは、野崎でした。

この時点で、野崎は「新庄が操縦士の資格を持っている」ことを知っていた可能性が高い、ということになります。

なぜ、それが決定的なのか

野崎に当てはまる条件を並べてみます。

  • 別班員の入院先を知っている、限られた一人である
  • 新庄の逃亡手段(操縦士資格)を、事前に知っていた
  • ということは、新庄がタイへ逃げたことも分かっていたはずである

そして野崎は、その情報を隠していました。

さらに——茨城空港のノイズ映像です。実行は東条であってもあの映像を見せることで、乃木をウラジオストクへ向かわせようとしたのではないか。

「電話をかけた」こと自体が問題なのではありません。 その電話は、野崎が新庄の逃亡先を把握していたことの裏づけになる。把握していながら黙り、別の方向へ誘導した——だから疑われているのです。

決定打:野崎は「知らないふり」をした

論理としてはここが最も重いかもしれません。

乃木がアリから情報を得て野崎に伝えたとき、野崎は初めて聞いたような反応をしました。

しかし実際には、すでに自分で訓練所に電話して確認していたわけです。

知らないふりをする理由がない

野崎は、別班が新庄の確保を目的としていることを知っています。

もし野崎が味方の立場なら、「新庄が自家用機の免許を持っている」という情報は、真っ先に共有すべき重大な手がかりです。逃亡経路の予測が根本から変わるのですから。

それを隠し、あまつさえ知らないふりをした。ここに、味方としての説明がつきません。

情報を持っていたことより、持っていたのに隠したことが問題なのです。

まるで、別班が新庄へ集中する状況を狙って作り出しているかのように。

「該当なし」

状況証拠:渡航記録がない

さらに、細かいですが効いてくる点があります。

野崎は「新庄を引き取りにバンコクへ向かう」と言っていました。しかし検索結果は——「該当なし」。

野崎名義の渡航記録が確認できない

正規のルートで渡航していないなら、別の名義か、別の手段で動いていることになります。公安の人間としては、明らかに異常です。

そして、新庄はシロだった

一連の流れで最も気の毒なのが新庄です。

別班の総力を挙げて追跡され、確保され、拷問された結果——シロ

情報を売ったのは新庄ではありませんでした。SNSでは「ただ別荘で納豆を食べていただけなのに」といった声も見られましたが、構図としてはまさにそういうことになります。

今のところ、単純にタイへ逃げて、納豆食べていたら別荘を爆破せざるを得ない状況に追い込まれ、さらには拷問された人になります。

そして、この「新庄が犯人だ」という空気を作るのに一役買っていたのが、AIハヤトが示した「新庄の関与95%」という数字でした。

別班は、まんまとミスリードされていたわけです。

なぜ絞り込みで野崎に辿り着いたのか

視聴者が混乱しやすいのは、この絞り込みのロジックが早口で進むからだと思います。整理するとこうです。

  1. 別班の機密を知る人数は極めて限られている
  2. その中で所在が分からなかったのは、テントのモニターだった新庄ひとり
  3. だから別班は総力を挙げて新庄を追跡・確保した
  4. しかし新庄はシロだった
  5. すると、残った人物の中に犯人がいることになる
  6. そこで、新庄の手がかりを先に握りながら隠し、ミスリードまでしていた野崎が第一容疑者に浮上した

消去法と、隠蔽行為の組み合わせです。単独の電話が証拠なのではなく、「限られた容疑者」×「隠す理由がない情報を隠した」という掛け算で成立しています。

知っていた情報を隠したうえで、別方向へ誘導したというのがあのシーンで野崎が裏切り者だと判別される決定的な事象でしょう。

ジャミーンの伏線が回収された

第1シーズンから残っていた小さな違和感も、ここで意味を持ちます。

ジャミーンは、野崎にだけ懐かなかった。

当時は「動物的な勘」程度に見えていましたが、野崎に何か裏があるという示唆だったと読めます。作品全体でも、動物や子どもの反応を伏線として使う手法は繰り返し出てきます。

ただし、これで確定とは限らない

ここまで解説しておいて何ですが、まだ確定と決めつけないほうがいいと考えています。

理由は3つあります。

① 「ミスリードを見せる」のがこの作品の手口

第1シーズンでも、視聴者は何度も裏切られました。「衝撃の事実」を提示してから、次回でひっくり返すのが常套手段です。次回で野崎やっぱり味方かい!!ってなる可能性も十分あります。

特に、乃木の叔父と接触していたシーンは回収されていませんし、野崎だけが何かしらの情報を得て、敵を騙すには味方からと、乃木にしてやられたことを意趣返しに言う事もあるかもしれません。

② AIハヤト自体が信用できない

そもそも新庄95%というミスリードを起こしたのはAIハヤトです。監視カメラの映像を解析していたのもAIでした。

だとすれば——野崎の電話の記録そのものが、AI側で作られた偽情報である可能性も、理屈の上では残ります。

③ 第1シーズンとの整合性

野崎が最初から裏切り者だったとすると、第1シーズンの行動の多くが説明できなくなります。テントを本気で追い詰め、乃木の作戦を成立させた人物です。

整合性を保つなら、次のような読みが必要になります。

  • 野崎も別班だった(公安を装った別班員。長野専務と同じ構造。「裏切り」とは公安に対する裏切りであって、国家への裏切りではない)
  • 後から離反した(ベキを撃たせたこと、上原史郎が罰されていないことへの失望など)
  • 二重スパイとして、あえて敵側に入っている

「野崎も別班だった」という線が意外と整合すると考えています。第2話でわざわざ「別班の指令系統はすべて独立している」と念を押されたのは、長野のためだけではなかったのかもしれません。

「別班はどこにいるか分かりませんからね」


そしてもうひとつ。

乃木家を悲劇に陥れた元凶である上原史郎に対して、野崎はこう述べています。

「僭越ながら、これ以上は慎まれた方が、命取りになりかねません。別班はどこにいるか分かりませんからね」

この言い回しは、野崎が別班に何かしらの縁を持っている可能性を高めます。外から見ているだけの人間の言葉には、あまり聞こえません。

具体的には野崎は元別班であり、乃木に似ている亡くした部下というのが任務中に国家に裏切られたというような展開があってもおかしくはありません。
ここは完全なる妄想ですが。

まとめ

  • 問題の映像は二つある。新富士空港(タイ行き)と茨城空港(ウラジオストク行き)
  • 新富士空港の差し替えはチョッキーとタムタムの仕業で、二人ともシロだった
  • 残った茨城空港のノイズ映像に、東条のPCからの偽装記録が出た
  • しかし東条は別班員の入院先を知らない
  • そこで判明したのが、新庄の操縦士学校へ電話していた野崎の存在
  • 野崎は入院先を知る一人であり、新庄の逃亡手段も知っていた
  • つまりタイへ逃げたことも分かっていたはずなのに、それを隠した
  • さらにノイズ映像で、乃木をウラジオストクへ誘導した可能性がある
  • 渡航記録は「該当なし」。バンコクへは行かず、イスラエルにいた
  • ただし第1シーズンとの整合性を考えると、単純な裏切りとは考えにくい

「電話をかけた」という一点だけを見ると分かりにくいのですが、それが何を可能にする行為だったのかを追うと、意味が変わります。

次回でまたひっくり返される可能性も込みで、追いかけていきたいところです。

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