【ネタバレ注意】 『VIVANT』第2シーズン第1話および第1シーズンの内容に触れます。
第1話を見ていて、どうしても引っかかった場面がある。乃木の叔父と接触していた野崎だ。
結論から言えば、あれは野崎ではなく、変装した新庄浩太郎だったのではないかと考えている。以下、その根拠を整理する。あくまで一視聴者の考察であり、公式に示された事実ではない。
そもそも新庄浩太郎とは何者だったか
第1シーズンで新庄は、警視庁公安部・外事第4課の一員として野崎の下で動いていた。つまり野崎の側にいた人間だ。しかし終盤、テント側のモニター(内通者)であることが判明。ベキの逃走を手引きし、自身も姿を消した。
ここで重要なのは、新庄が野崎の部下として長く行動していたという事実である。話し方、立ち居振る舞い、公安としての作法——野崎を演じるうえで、これ以上ない予習をしていた人物だと言える。
根拠1:公開ビジュアルが示す「潜伏して動く新庄」
第2シーズンに向けて公開された新庄のビジュアルは、スーツが汚れ、額に傷を負い、誰かと通話しているという姿だった。
これは「逃亡して隠れている」のではなく、逃亡しながら能動的に動いていることを示している。潜伏中の人間が接触を図るなら、素顔で現れるはずがない。変装は、むしろ自然な選択だ。
根拠2:第1話で新庄の関与が浮上している
第1話では、別班メンバー拉致に新庄の関与が浮上した。すでに動いている人物である以上、別の場面にも姿を変えて登場していたと考えるのは無理な飛躍ではない。
根拠3:なぜ「乃木の叔父」なのか
叔父への接触は、乃木の過去や乃木家の因縁に関わる情報を取りに行く行為と読める。第1シーズンで乃木家を陥れた上原史郎の一件も含め、乃木の背景はまだ掘り尽くされていない。
乃木を追う側にとって、叔父は数少ない「乃木の弱点」に触れられる相手だ。ここへ野崎の顔で接触すれば、相手は警戒を解く。
根拠4:部屋番号の強調
ここからが本題だ。
明らかな強調
この作品は、伏線を張るときに該当箇所をアップで強調することが多い。第1シーズンでも、インターホン画面に映り込んだ「モニター」の表示が後に伏線と判明している。
そして第1話。野崎は電話で「1544」の部屋番号を復唱して確認し、さらに部屋へ向かう場面でインターホンの「1544」がアップで映る。
二度である。
単なる部屋番号なら、一度映せば足りる。復唱までさせて、さらにアップで見せる。これは制作側が「この数字を覚えておけ」と言っているに等しい。
聖書の章節として読むと、意味が反転する
では、この数字に意味があるとして、何を指しているのか。
ここで思い当たったのが、聖書の「章:節」表記である。15:44 として読むと、該当するのは——
コリント人への手紙 第一 15章44節。
血肉の体で蒔かれ、霊の体によみがえる
コリント第一の15章は、丸ごと「死者の復活」を論じる章だ。そして44節は、朽ちる肉体で葬られた者が、別の体としてよみがえることを語っている(訳によって文言は多少異なるが、死者蘇生の事を言っている)
なぜこの読みが成立しうるのか。理由は3つある。
① この作品は既に聖書のモチーフを使っている
第1話には「ノアの箱舟が流れ着いたとされる山」に関する言及がある。聖書を引く土壌が、作中にすでにある。
② 場面と意味が一致している
このシーンは、まさに変装の場面だ。新庄が野崎という別人の姿で現れる——「血肉の体で蒔かれ、霊の体によみがえる」の、これ以上ない直喩になっている。
③ 「VIVANT」というタイトル自体が「生きている」を意味する
フランス語の vivant は「生きている」。死と生は、この作品の根幹にあるテーマだ。
しかし、ここで大きな疑問が残る
正直に書く。この説には、根本的な弱点がある。
そもそも新庄が、日本に戻って変装する意味はあるのか。
冷静に考えてみてほしい。新庄が第三勢力に別班の情報を売っていたのだとすれば、情報を渡した時点で対価は得られているはずだ。国外逃亡が目的なら、危険を冒して日本へ戻る理由がない。金銭目的なら、なおさら合理的でない。
つまり、もし本当に日本にいるのなら、金では説明できない動機があるということになる。
動機は「ベキ」ではないか
ここで思い出したいのが、新庄がベキに向けていた感情だ。
第1シーズンの新庄は、単なる裏切り者として描かれていない。ベキの逃走を手引きし、さらにベキが見捨てられた可能性に言及された場面では、激しい反応を見せている。あれは打算ではなく、同志への忠誠、あるいは敬愛と呼ぶべきものだった。
そう考えると、話が繋がる。
第1話では、野崎がベキの死を「事実」として世界に信じ込ませようとする動きを見せている。これは裏を返せば、ベキの生死を巡って情報戦が起きているということだ。
もし新庄が、ベキが生きていることを知っているとしたら。そして、それを世界に知らしめたいと考えているとしたら。
彼が危険を冒して日本にとどまり、野崎の顔を借りて動く理由が生まれる。
そしてその文脈に置いたとき、「1544」——死者の復活を語る一節——は、単なる部屋番号ではなくなる。
- ベキは死んでいないというメッセージ
- あるいは、新庄自身が別人として再び潜入:よみがえったという宣言
どちらにせよ、「死んだはずの者が、別の姿でよみがえる」という一点で、この数字は物語の芯を突いている。
その他の読み方(数字遊びとして)
聖書説以外にも、いくつか解釈の余地がある。楽しみとして挙げておく。
国番号「+44」=イギリス
44 はイギリスの国際電話番号である。そして第1話の舞台のひとつはキプロス。
ここで現実の地政学が効いてくる。キプロスにはイギリスの主権基地領域が現存し、中東を睨む通信傍受の拠点が置かれている。つまりキプロスは、盗聴と傍受の島だ。
第三勢力が中国だとしても、キプロスという舞台選びには通信傍受の意味が乗る。ノコルが「キプロス」という言葉に過剰な反応を示したことも、この文脈なら説明がつく。
「44」=死が重なる
日本語の定番の読み。4は死に通じ、それが二つ重なる。
日本のホテルでは4を避けた部屋番号にすることも多い。そこにあえて44を置いているとすれば、不吉さを意図的に選んでいることになる。拉致と潜入の物語には、よく似合う。
15を「いちご」と読めば、「一期に死す」という語呂遊びも可能だ。
またた、「以後死す」のような読みも出来なくはない。
一応、役目を終えている様なノゴーン・ベキが何かしらの行動を移すとなった時の動機として「実の兄の死」が引き金になる可能性もある。
東経44度線
「ノアの箱舟が漂着した」とされるアララト山は東経44度に位置する。座標の断片としての44。第1話に箱舟への言及がある以上、まったくの偶然とも言い切れない。
単純な数字遊び
1 + 5 + 4 + 4 = 14→ さらに足すと5(拉致されたのは病院にいた熊谷(西山潤さん)、高田(市川笑三郎さん)、廣瀬(珠城りょうさん)、和田(平山祐介さん)の4人と、バルカにいた黒須の計5人)15:44を時刻と読む(今後の回で同じ時刻が出れば伏線確定)
乃木はグラム単位で重さを言い当てる数字の男だ。数字のパズルは、この作品と相性がいい。
この説の弱点も書いておく
公平を期すために、否定材料も挙げておく。
- 単純に野崎本人が動いていただけという可能性は当然ある
- 変装で野崎になりすますなら、声や癖まで似せる必要がある。声色を寄せるのは相当難しいだろう
- 現時点で、この説を裏づける明確な描写は確認できていない
つまりこれは「そう読める」という段階の考察であり、断定できるものではない。
まとめ
- 新庄は野崎の部下として長く動いており、野崎を演じる下地がある
- 新ビジュアルは「潜伏しながら能動的に動く新庄」を示している
- 第1話で新庄の関与が浮上した以上、別の場面での登場も考えうる
次回以降で答え合わせができるはずだ。
1期伏線集

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