【VIVANT2】第5話 考察:リュウ・ミンシュエンとは誰なのか

リューミンシェン 創作物(アニメ・映画・漫画・小説考察)

【ネタバレ注意】 『VIVANT』第2シーズン第5話(通算15話)までの内容と、第1シーズンの内容に触れます。

第1シーズンから、名前だけが残り続けている人物がいます。

リュウ・ミンシュエン。(漢字では「劉銘軒」と表記されます)

一度も画面に出てきません。野崎守が語っただけの存在です。それなのに——番組は、この人物を第2シーズンのキーマンだと説明していました。

そして第5話(通算15話)のラスト、ついにその名前が呼ばれました。

3年間ずっと引っかかっていた人が、けっこういるはずです。私もそうでした。

第5話のラストで、何が起きたのか

先に、いちばん新しいところから書きます。

別班に確保された公安部長・佐野は、尋問の場でこう明かしました。

野崎は裏切っていない。潜入捜査だった。

そして佐野は、5年前の話を始めます。野崎が北京の日本大使館にリエゾンとして駐在していた頃、その下で動いていたエージェントが二人いた、と。

  • リュウ・ミンシュエン
  • チョウ・ケイシ

この二つの名前が出たところで、本編は終わりました。

そして次回・第16話は、野崎の「もう一つの任務」と、5年前の物語が描かれます。

つまり、こういうことです

これまでリュウ・ミンシュエンは、「野崎が昔なくした後輩」というエピソードの一部でした。

しかし、そうではなかった。 5年前の北京で起きた何かが、この物語の始まりだった——そう位置づけられたわけです。

もう一人、チョウ・ケイシがいたという事実も含めて。

以下、順に整理していきます。

リュウ・ミンシュエンとは誰か

分かっていることを整理します。

項目内容
立場野崎のエージェント北京の日本大使館時代の部下
時期5年前。野崎はリエゾンとして駐在していた
同僚チョウ・ケイシ。もう一人のエージェント
人物像真面目で、野崎に好かれようと必死だった
死因度を超えた調査の末に死亡したとされる
登場画面には一度も出ていない。名前が語られるだけ

野崎はこの後輩について、自分が可愛がっていた後輩であり、自分にとっての唯一の失敗だという趣旨のことを語っています。そして乃木に似ているという発言もあります。

さらに——もう少し見ていれば死なずに済んだ、とも。

あの野崎が、失敗だと言い切った案件です。それだけで重い。

もう一人、チョウ・ケイシ

第5話で初めて出てきた名前です(漢字では「張競士」)。5年前の北京で、リュウ・ミンシュエンと並んで野崎の下にいたエージェント

現時点で分かっているのは、それだけです。生死も、その後も、何も語られていません。

ただ——わざわざ二人の名前を並べて出したことには意味があるはずです。

一人が死に、もう一人はどうなったのか。 第16話は、そこから始まります。

あと、全然関係ない雑魚考察としては「チョウ・ケイシ」はケイシ・チョウ(警視庁)のアナグラムですね。

なぜ、野崎は乃木に構うのか

この話が出てくるのは、野崎が乃木に妙に構う理由を説明する文脈でした。

野崎は、乃木にリュウを重ねています。

だから懐かれもしないのに世話を焼き、危ない橋を渡ろうとすれば止めようとする。根にあるのは「もう誰も死なせない」という思いです。

第2シーズンで野崎が乃木に向けた「やりすぎるなよ」という言葉も、これを知ってから聞くと響き方が変わります。

度を超えた調査で、部下を一人失っている男の言葉なのですから。

敵は中国だった

第4話で、最大の宿敵が明かされました。

シンシー。中国の別班にあたる組織です。率いるのは樊林杏(ハン・リンシン)。経歴は元・中国公安部第6局長

ここで、線が引けます。

  • リュウ・ミンシュエンが死んだのは、北京
  • 樊林杏は、中国の情報機関で局長を務めた人物
  • そして樊林杏は、別班に遺恨を持っている

同じ舞台に、同じ時期に、両方がいた可能性があります。

野崎が失った後輩と、いま別班を狙っている女。接点がないと考えるほうが、むしろ不自然です。

日本のドラマで中国を明確に敵にしているのは、少しリアリティがあり、意外と少ないので珍しいですよね。

では、誰が殺したのか

ここからが本題です。「度を超えた調査の末に死亡」としか語られていません。誰が手を下したのかは、一度も明かされていない。

可能性を並べます。

① 中国側に消された

いちばん素直な読みです。北京で調査をしすぎた人物が、現地で始末された。

そして今、その現地の情報機関で局長を務めていた人物が、敵として出てきました。

もし樊林杏が当時の指揮系統にいたなら——彼女がリュウを消した側である可能性は十分にあります。

そうだとすると、野崎がシンシーに接近している意味が変わってきます。復讐です。

野崎自身、無実の人間を殺すこともあると口にしています。その男の復讐なら、手段を選ばない可能性は十分にあります。

② 日本側が切り捨てた

こちらも消えません。

リュウは野崎の指示で動いていました。踏み込みすぎた協力者を、組織が守らなかった——諜報の世界では珍しい話ではありません。

野崎が「自分にとっての唯一の失敗」と言うのは、守れなかったことへの後悔とも、切り捨てる側にいたことへの悔恨とも読めます。

この読みだと、野崎の敵は中国ではなく、日本の体制になります。第1シーズンで上原史郎に牽制をかけた場面とも噛み合います。

③ 乃木が関わっているのではないか

ここが、この記事でいちばん書きたかった説です。

乃木憂助の別班としての初任務を思い出してください。

大学院を出たばかりの乃木は、中国に国家機密を売り渡していた通産省の官僚を、自殺に見せかけて殺しています。第8話の回想で描かれた場面です。

「その時、初めて人を殺しました」——乃木自身の言葉です。

直接の同一人物ではありません

先に、はっきりさせておきます。

リュウ・ミンシュエン=乃木が殺した標的、ではありません。 標的は日本の官僚であり、リュウ・ミンシュエンは北京大使館にいた野崎の部下です。別人です。

ここを混同している考察も見かけますが、それは違います。

ただし、案件は繋がりうる

しかし、二人を並べてみてください。

場所していたこと
リュウ・ミンシュエン北京度を超えた調査 → 死亡
乃木日本中国に機密を売っていた官僚を排除

どちらも「中国への情報流出」の話です。

情報が日本から中国へ流れていた。その出口を塞いだのが乃木で、入口を追いすぎて死んだのがリュウだったとしたら——二人は同じ案件の両端にいたことになります。

だとすると、残酷な話になる

この読みが当たっていた場合、こうなります。

野崎は、自分の後輩を奪った事件を閉じた男を、そばに置いて可愛がってきた。

しかも野崎は、乃木にリュウを重ねているのです。

重ねている相手が、その死の反対側にいた。

知らずにそうしていたのなら、あまりに皮肉です。知っていてそうしていたのなら、野崎という人物の見え方が根本から変わります。

なお、これは本編で示された事実ではありません。 二つの描写を繋いだ推測です。そこは区別して読んでください。

ちなみに「リュウ・ミンシュエン=乃木」説は、無理があります

第1シーズン当時、リュウ・ミンシュエンは乃木本人なのではないかという説がありました。漢字の並びから乃木を読み取る、という発想です。

面白い読みではあります。ただ——野崎はリュウを「死んだ」ものとして語っています。 そして目の前の乃木を、リュウに似ていると言っている。

別班組織が、もう本当に顔を定期的に整形したり等もしてしまうなど考えだしたらドラマの俳優起用の利点とか演出完全無視になってしまいます。

本当は乃木=野崎の部下なのであれば野崎が見逃すことは無いでしょう。

本人だとすると、この二つが同時に成り立ちません。

一方で、生存説のほうは強まっています

こちらは消えません。むしろ第5話のあとで、支持が増えました。

遺体が確認されたという描写は、ありません。 名前だけの人物ですから当然といえば当然ですが——この作品は、死んだはずの人物を平気で連れ戻します。

野崎の言い回しが、引っかかる

まず、不利な事実から書きます

生存説を推したい気持ちはあるのですが、先に不都合なほうを出しておきます。

第7話で、野崎ははっきり「死んだ」と述べています。もうこの世にはいないがな」とも。

ぼかしていません。 曖昧な言い方でもない。

ですから——死亡そのものは、ほぼ確定と考えるのが筋です。ここを曲げて生存説を推すのは、無理があります。

それでも、二つ残ります

ただ、引っかかる点が二つあります。

ひとつは、死体が確認された描写がないこと。

名前だけの人物なので当然ではあります。ですが——この作品は、死んだはずの人物を平気で連れ戻します。 ベキがそうでした。新庄も、いま同じことを疑われています。

もうひとつは、別の場面での言い回しです。

野崎は「急にいなくなるのは寂しいものだ」という趣旨のことも言っています。

「死んだ」と言い切る一方で、「いなくなった」とも言う。同じ相手について、二通りの言い方をしている。

もちろん、ただの言い換えかもしれません。人が死んだことを「いなくなった」と言うのは、普通のことです。

ですが——「いなくなった」のほうが、死とは別の何かを指している可能性は、完全には消えません。

死亡は確定に近い。それでもゼロにはならない。 それが正直なところです。

また、死んだことをいなくなったと表現するのと、いなくなってから死んだのでは状況が異なります。

いま、どこにいるのか

生存説を採る場合、行き先の候補は一つです。

シンシーの内部。

理由はこうです。リュウは北京で調査を深めすぎたとされている。そして今、中国の情報機関を母体とする組織が敵として現れた。消された側ではなく、取り込まれた側だとしたら、いる場所はそこになります。

さらに踏み込んで、リュウはシンシーと公安のダブルスパイだったのではないかという見方もあります。

そして——もしそうなら、野崎がシンシーに潜入した理由も変わってきます。 組織を潰しに行ったのではなく、そこにいる人間に会いに行ったことになる。

「唯一の失敗」を、取り消しに行ったのだとしたら。

ただし念のため。これらはすべて視聴者側の読みであり、作中で示されたものではありません。

キーマンという言葉の意味

番組はリュウ・ミンシュエンを第2シーズンのキーマンだと説明していました。

過去の存在としてなのか、現在の人物としてなのか。 第16話で、そこがはっきりします。

まとめ

  • リュウ・ミンシュエンは、5年前に野崎が北京の日本大使館に
    リエゾンとして駐在していた頃のエージェント
  • もう一人、チョウ・ケイシがいた。第5話で初めて出た名前
  • 度を超えた調査の末に死亡したとされる。野崎は自分の唯一の失敗だと語っている
  • 野崎が乃木に構うのは、乃木にリュウを重ねているから
  • 番組は、この人物を第2シーズンのキーマンだと説明していた
  • そして第5話のラストで、佐野の口から名前が呼ばれた
  • 誰が殺したのか。中国側/日本の体制/そして——
  • 乃木の初任務は、中国に機密を売っていた通産省官僚の排除だった
    • 同一人物ではないが、同じ案件の両端にいた可能性はある
  • そうだとすれば、野崎は後輩を奪った事件を閉じた男を、そばに置いてきたことになる
  • 生存説も消えていない。「死んだ」ではなく「いなくなった」という言い方が残る
    • いるとすればシンシーの内部。野崎の潜入は会いに行くためだった可能性

3年間、名前だけが残っていました。そして、次回深堀されることでしょう。

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