【ネタバレ注意】 この記事は日曜劇場『VIVANT』第1シーズンの内容に触れます。
『VIVANT』は、殴り合いの強さだけで優劣が決まる作品ではない。銃の腕が立つ人物より、情報を握っている人物のほうが強いという場面が何度もあった。だからこのランキングも、「腕っぷし」だけで並べても意味がない。
そこで今回は、評価軸を3つに分けてスコア化したうえで、独断と偏見でTOP7を決めた。ついでに大穴枠とネタ枠も混ぜている。異論は大歓迎、というかそれが目的だ。
評価基準:強さを3つの軸に分解する
順位づけの前に、何をもって「強い」とするかを定義しておく。
| 軸 | 中身 |
|---|---|
| 戦闘力 | 近接戦・射撃・そして何より「生存力」 |
| 頭脳・戦術 | 読み合い、計画立案、嘘の精度 |
| 影響力 | 組織を動かす力、物語そのものを動かした度合い |
この3軸で見ると、「強い=殺せる」ではなく「強い=望む結果を出せる」になる。期待値で語るなら、こちらのほうが実態に近い。
第7位 タクシー運転手(ネタ枠、しかし実力は本物)
いきなりネタ枠で申し訳ないが、第1話で乃木を騙し、撒いたタクシー運転手を7位に置きたい。
理由は単純で、あの乃木を出し抜いたからだ。別班のエースを相手に、土地勘と運転技術だけで撒いてみせた。組織のバックアップも銃もなしにこれをやっているなら、純粋な「職能の勝利」である。
もちろん総合力では上位陣に遠く及ばない。それでも、「その道のプロは局所的に最強を上回る」というこの作品の面白さを象徴する存在として、7位に入れる価値はある。
- 戦闘力:低 / 頭脳:中(土地勘と機転) / 影響力:低
第6位 ドラム(現場の生存力)
野崎の右腕として、現場の荒事を完璧にこなした人物。派手さはないが、過酷な状況を生き延びる「現場力」は高い。それに、飛行機で発信機を付けた場面では乃木でもしばらくは気が付かなかったくらいだ。
上位陣が「組織を動かす人間」であるのに対し、ドラムは「組織に動かされて結果を出す人間」だ。役割が違うので順位は6位だが、実働部隊としての信頼度は高い。
- 戦闘力:高 / 頭脳:中 / 影響力:中
第5位 ノコル(実質次代のテント)
ベキの側近格として、テントの実務を担っていた人物。組織の二番手というポジションそのものが、彼の能力の証明でもある。
ただし、第1シーズン時点では「ベキの影」の域を出ていない印象もある。慕っていたベキの実の息子が現れ、自身の複雑感情を整理しきれずにいた場面も強調されていた。第2シーズンで彼が単独で判断を下す場面が増えれば、この順位は一気に上がるはずだ。伸びしろ枠として5位。
- 戦闘力:高 / 頭脳:中〜高 / 影響力:中(ベキ次第)
第4位 長野専務(大穴。取り調べをかわす男)
ここで大穴を入れる。丸菱商事の長野専務だ。
戦闘描写があるわけではない。それでもこの順位に置く理由は、野崎の取り調べをかわしているという一点に尽きる。
公安のプロを前にして、決定的な尻尾を出さずに切り抜ける。これは尋問耐性という、諜報の世界では極めて重要な能力だ。加えて彼には、ザイルの名前への過剰反応や、経歴上の空白期間といった「疑惑」がまとわりついている。もし彼が本当に別班、あるいはテント側の人間なのだとすれば、第1シーズンを通して正体を隠し切ったことになる。
隠し通せる人間は、強い。順位づけとしては大穴だが、根拠のある大穴のつもりだ。
おそらくこのランキングで一番異論が出るのは長野専務だろう。
しかし私は、諜報員にとって最も重要なのは「正体を隠し切る能力」だと思っている。
そう考えると、長野は異常なほど強い。
- 戦闘力:不明 / 頭脳:高(尋問耐性) / 影響力:中〜高(正体次第)
長野専務の正体を巡る考察は、未回収の伏線まとめで詳しく整理している。
第3位 野崎守(情報を制する者)
公安の野崎を、あえて3位という高順位に置く。
彼は銃撃戦の主役ではない。それでも作中で常に「状況を一段上から見ている」のは野崎だった。乃木を追い、テントを追い、そして必要とあれば取引もする。先回りして準備を怠らず、やるべきことを躊躇せず行う。目的のために手段を選び直せる柔軟さが、この人物の本質的な強さだ。
3軸で見れば、頭脳と影響力が突出している。戦闘力で劣っていても、情報と権限を持つ人間は、現場の兵より強い。この作品はそれを繰り返し描いてきた。野崎はほぼ毎回「一歩遅い」のに最後は必ず追いつく。この能力が公安として恐ろしい。
- 戦闘力:中 / 頭脳:高 / 影響力:高(公安という組織の力)
第2位 ノゴーン・ベキ(乃木の能力から正体を見抜いた男)
テントを率いる首領にして、乃木の実父。カリスマ、組織、実力の三拍子が揃った、実質的な頂点格である。
そして個人的に、ベキの強さが最も表れていたと思うのは戦闘シーンではない。乃木が「グラム単位で重さを測れる」能力を持つことから、乃木がすでに別班として動いていると察知した場面だ。
これは単なる観察力ではない。息子の些細な特技という点の情報から、「日本の非公式諜報組織が動いている」という線を引いたということだ。そこまで到達するには、別班という組織の存在と手口を深く理解している必要がある。つまりこの推理そのものが、ベキと彼の組織が持つ情報網の深さの証明になっている。
首領としての実力に、この洞察力。1位でもおかしくないが、次の理由で2位とした。
- 戦闘力:高 / 頭脳:最高クラス / 影響力:最高クラス
第1位 乃木憂助(頭脳と戦闘、そして「F」)
やはり1位は乃木憂助で動かない。
理由は、3軸すべてで上位に入る唯一の人物だからだ。別班のエースとしての戦闘力。商社マンとして場を組み立てる頭脳。そして物語のあらゆる転換点に居合わせる影響力。どれか一つが突出しているのではなく、全部が高い。
そのうえで、彼には別人格「F」という規格外の要素がある。冷徹に最適解を選ぶもう一人の自分を内側に飼っている、という構造そのものが反則的だ。感情で判断が鈍る場面で、Fが最短距離の答えを出す。人間としての弱さを、システムで補っていると言ってもいい。
ベキが「組織で強い」人間だとすれば、乃木は「単体で完結している」人間だ。だからこの順位にした。
- 戦闘力:最高クラス / 頭脳:最高クラス / 影響力:最高クラス
番外編:順位はつけられないが無視できない存在
ジャミーン
戦闘力はゼロに近い。しかし物語を動かした度合いで言えば、彼女は間違いなく最強クラスだ。写真への反応が乃木を動かし、潜入作戦の引き金になった。「影響力」だけを軸にすれば1位すらありうる、評価不能の存在。
柚木薫
正体が確定していないため、評価が保留になる枠。医者なのか、それとも別の顔があるのか。もしインターポール説が当たっていれば、順位は大きく変わる。多分普通の医者なのだと思いたいが。
第2シーズンで順位はどう変わる?
放送前の予想としては、動きそうなのは次の3人だと考えている(あくまで考察であり、断定ではない)。
- 長野専務 — 正体が明かされれば、大穴から一気に上位へ
- ノコル — ベキの不在が長引くほど、彼自身の判断力が試される
- 柚木薫 — 保留枠の解除。正体次第で番外編から本編ランキングへ
まとめ
改めて、独断のTOP7はこうなった。
- 乃木憂助
- ノゴーン・ベキ
- 野崎守
- 長野専務
- ノコル
- ドラム
- タクシー運転手
『VIVANT』の「強さ」は、腕力ではなく「どれだけ正確に状況を読めるか」で決まる。だからこそ、殴り合いをしない野崎や長野専務が上位に食い込むし、タクシー運転手のような局所的なプロも侮れない。
私は第2シーズンでこの順位が大きく変わるとしたら、長野専務だと思っている。
正体次第では、一気にTOP3入りしても驚かない。
逆にベキが本当に死亡しているなら、このランキングは最初から作り直しになる。
だからこそ、第2シーズンは「誰が一番強いのか」を見る作品でもある。
あなたなら、この順位をどう入れ替えるだろうか。
第2シーズンでこの順位がどう崩れるのか。それを見るのも楽しみの一つだ。あなたの思う最強は誰だろうか。
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